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美しい海に囲まれた街をめぐる鳴門サイクリング

美しい海に囲まれた街をめぐる鳴門サイクリング

世界最大級の渦潮をはじめとした、美しく、雄大な海を望む絶好のロケーションを有する徳島県鳴門市。心地よい潮風を感じながらロマンチックな景色が楽しめて、ドライブやツーリング、そしてサイクリングにも人気のエリアです。2027年度には淡路島と鳴門を結ぶ大鳴門橋に自転車道が完成予定。これからますます盛り上がること間違いなしです。今回は、そんな鳴門の海景色をぐるっと巡るサイクリングコースをご紹介します。



圧巻の景色、『鳴門公園』からスタート

鳴門を代表する絶景、大鳴門橋と鳴門海峡を間近で眺められる『鳴門公園』。千畳敷展望台、孫崎展望台、お茶園展望台、鳴門山展望台と、園内に展望台が4カ所あり、どこから眺めても感動を覚える景色が広がっています。

 ▲大鳴門橋が間近に見える千畳敷展望台は、記念撮影に最適。周辺には食事処やカフェ、おみやげ屋さんが軒を連ねています。
▲大鳴門橋が間近に見える千畳敷展望台は、記念撮影に最適。周辺には食事処やカフェ、おみやげ屋さんが軒を連ねています。

駐車場も3カ所あり、1日500円で利用可能。ここで車を停めてマイ自転車に乗り換え、いざ出発!まずは、多くのライダーやサイクリストに密かに人気の絶景ロード『鳴門スカイライン』を目指します。

海と山に囲まれたウチノ海を見下ろす絶景道

鳴門海峡を望む大毛島、島田島、四国本島を結ぶ『鳴門スカイライン』。峰をつなぐ橋を走る時には、“スカイライン”という名のとおり空中散歩をしているような爽快感が楽しめます。アップダウンやカーブなど変化に富んだ道のりは大変ですが、走行中に数度現れる海と山の絶景は高揚感をもたらしてくれます。

中でも見どころなのが、全長8㎞あるこの道の頂点『四方見(よもみ)展望台』です。

 ▲四方見展望台
▲四方見展望台

まるで湖のように穏やかで、釣り筏などが浮かぶ風情あるウチノ海。その向こうには世界三大潮流の鳴門海峡や紀伊水道、天気が良ければ小豆島まで見渡せる瀬戸内海も観察できます。

四方見展望台まで来たら、隣にあるお菓子工房『フレンチモンスター 瀬戸内フードアート』で腹ごしらえを。

絶景ポイントで地産地消のランチ&スイーツをいただく

東京・西麻布のレストラン『フレンチモンスター 美飲倶楽部』が手がけるこちらのお店。オーナーシェフの錦織さんのお母さんの故郷が鳴門市であり、幼少期に訪れた鳴門の思い出を胸に「この地でレストランを開きたい」と2020年にオープン。徳島・瀬戸内の食材にこだわった料理やスイーツを提供しています。

 ▲アンティークの机や椅子が並ぶレトロでおしゃれな店内。
▲アンティークの机や椅子が並ぶレトロでおしゃれな店内。
 ▲2階は展望台よりさらに高台となる四方見ルーフトップ361°で、さらに開けた景色が堪能できます。
▲2階は展望台よりさらに高台となる四方見ルーフトップ361°で、さらに開けた景色が堪能できます。

開店当初はお菓子やスイーツの提供が中心でしたが、お客さんからの要望に応え、ホットサンドやパスタなど徐々にランチメニューのラインナップを増やし中とのこと。今回はめいっぱい体を動かした後なので、スパイシーなカレーでスタミナチャージ!

 ▲[瀬戸内レモンポークカレー](1,320円)。器は鳴門出身の作家さんが手がけたもので、鳴門愛が随所に見受けられます。
▲[瀬戸内レモンポークカレー](1,320円)。器は鳴門出身の作家さんが手がけたもので、鳴門愛が随所に見受けられます。

10種類のスパイスを使用したビンダルーカレー。ひとくち食べればフルーティーな甘さが広がり、少し遅れてやってくるピリッとした辛みがクセになります。ポークはみかんの皮を食べて育った愛媛県産で、くちどけが良くジューシー。さらに、インド米のバスマティラと日本米を絶妙にブレンドしたライスがカレーのおいしさを引き立ててくれます。

 ▲「瀬戸内おみやげコンクール2018」で最優秀賞を獲得した鳴門金時のクリームをたっぷりサンドしたサブレ[月へ鳴門へ]410円。
▲「瀬戸内おみやげコンクール2018」で最優秀賞を獲得した鳴門金時のクリームをたっぷりサンドしたサブレ[月へ鳴門へ]410円。

また、お店の外にはお菓子の自動販売機が設置されています。店内でも購入できますが、定休日などでタイミングが合わない時も購入できるのはうれしいですね。

『四方見橋』通過はジェットコースター気分!?

展望台から出てすぐの『四方見橋』を通る際は、傾斜のある下りになるのでゆっくり走行がおすすめです。

 ▲四方見橋。車の行き交いも多く、風が強い時があるので注意しましょう。
▲四方見橋。車の行き交いも多く、風が強い時があるので注意しましょう。

ウチノ海を見下ろしながら走行するので、爽快なリスタートが切れることは間違いなし!

鳴門の新たな観光地となる『tonaru SETO』

小鳴門新橋を渡ったら、小道へ入って堂浦方面へ。

堤防沿いの道を走っていると、戦後モダニズム建築家の1人、増田友也氏が手がけた『旧瀬戸小学校・幼稚園』があらわれます。

 ▲奥・中央に見えるのが故・増田友也氏が設計した体育館。
▲奥・中央に見えるのが故・増田友也氏が設計した体育館。

現在(2024年3月時点)、「地元住民が親しんできたこの学舎を再活用しよう」と改修中で、2024年6月には阿波おどり公演や釣り体験など文化・自然・食を満喫できる観光拠点『tonaru SETO(トナルセト)』へ生まれ変わります。

情緒ある港町を駆け抜けて、鳴門の中心街へ行く

コースの中間地点は、小さな港町である堂浦あたり。

漁港近くの防潮堤に描かれた壁画は、このサイクリングに彩りを添えてくれるはず。地元のお祭りの様子や釣りの様子など、堂浦の歴史や文化にふれた気分になります。

そのままウチノ海側の道を進み、県道42号瀬戸撫養線へと入ります。
小鳴門橋まで進んだら、スケートボードパークを核としたスポーツ施設『UZU PARK(ウズパーク)』内にあるサイクルステーションでひと休み。

 ▲UZU PARK CYCLE STATIONは年中無休。朝7時から夜8時まで利用可能です。
▲UZU PARK CYCLE STATIONは年中無休。朝7時から夜8時まで利用可能です。

施設内には、自転車のセルフ整備スペースのほか、休憩スペース、シャワー室(100円/3分)、トイレ、コインロッカー(100円/1回※当日のみ)を完備しています。

渡船を組み込んで自転車旅を盛りあげる

渡船を組み込んで自転車旅を盛りあげる

川や内海が多い鳴門では、3つの渡船が通勤・通学など日常生活の足として今も活躍しています。

そのうちの一つ、四国本土側の岡崎と大毛島(土佐泊)を結ぶ『岡崎渡船』に乗船。市道と同じ扱いとなっており、渡船の運賃は無料です。

 ▲岡崎渡船の待合所。運行間隔は約30分ごとです。
▲岡崎渡船の待合所。運行間隔は約30分ごとです。

乗船時間は片道で3分ほど。小鳴門海峡を横断するプチクルージングが満喫できます。

 ▲渦潮ができる鳴門海峡とは違いとても穏やかな海で、あっという間に対岸へと着いてしまいます。船上から望む町並みの風景も楽しんで。
▲渦潮ができる鳴門海峡とは違いとても穏やかな海で、あっという間に対岸へと着いてしまいます。船上から望む町並みの風景も楽しんで。

土佐泊へ到着したら、太平洋側の鳴門の海を眺めながら起点・鳴門公園へ帰ります。

全長およそ23㎞のコース。太平洋、ウチノ海、瀬戸内海とさまざまな海の表情を見に行きませんか。

今回訪れた場所

鳴門公園

徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦福池
アクセス/神戸淡路鳴門自動車道「鳴門北IC」から車で約5分

四方見(よもみ)展望台

徳島県鳴門市瀬戸町中島田東山

フレンチモンスター 瀬戸内フードアート

Tel. 088-661-5566
徳島県鳴門市瀬戸町中島田東山9
営/11:00~17:00
休/火曜(祝日の場合は営業、代休あり)
HP/http://www.frenchmonstar.com/setouchi_foodart/

tonaru SETO(トナルセト)

徳島県鳴門市瀬戸町堂浦地廻り参220-1
問い合わせ088-655-7331(徳島新聞社事業部、平日9:30~17:30)

UZU PARK CYCLE STATION(ウズパークサイクルステーション)

徳島県鳴門市撫養町大桑島濘岩浜
営/7:00~20:00
休/無休
HP/https://uzupark.com/cyclestation/

岡崎渡船

Tel. 088-685-4926
徳島県鳴門市撫養町弁財天派名39-12
HP/https://www.city.naruto.tokushima.jp/kurashi/sumai/kotsu/tosen/okazaki.html