特集
「藍のれん」で染まる
魅力的なまちづくり
![「藍のれん」で染まる
魅力的なまちづくり](/img_data/fe_170.jpg?20220411143429)
一般社団法人イーストとくしま観光推進機構では,新型コロナウイルス感染症により影響を受けた徳島東部圏域15市町村の飲食事業者を盛り上げると同時に、徳島が誇る阿波藍の普及による徳島らしさを感じられる魅力的なまちづくりに取り組むため、飲食店が店先に掛ける「藍のれん」の製作に係る費用を助成する制度を創設しました。
その制度に応募し、実際に「藍のれん」を掲げた吉野川市川島町の民宿の女将さんにお話をお聞きしました。
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吉野川市川島町のシンボル・川島城すぐ近くに2019年オープンした「民宿あわらくや」。
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お宿となる日本家屋は、宿の女将・中山明代さんのご主人の両親が40年ほど前に建てたもので、客間として利用されていたのだそうです。
欄間、床の間、雪見障子などを備えた立派な純和風建築を眠らせたままではもったいない!と考えた中山さん一家。
「もともと私たちは家に人を呼んでもてなすのが大好きだったので、いつかカフェかギャラリーをやりたいと思っていたんです。ちょうど当時、民泊という言葉が出始めたころでした。この場所は切幡寺と藤井寺の間にあり、お遍路さんにも宿として使ってもらえるのじゃないかと考えて民宿をはじめることにしたんです」と女将さん。
![▲女将の中山明代さんと看板息子の大輔くん。](/img_data/fe_i_170_2954.jpg)
宿スペースは使わなくなった客間などをリノベーション。
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外壁や内装の各所には徳島県産の杉をふんだんに使っています。
![▲外壁には焼杉を使用。](/img_data/fe_i_170_2956.jpg)
中にはあちらこちらに徳島らしいアイテムが。
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藍染の布を纏ったキャンプチェアや
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藍染のスリッパなど藍色の装飾品があったり、
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阿南市福井町で作られた竹の灯り、
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徳島の伝統工芸である遊山箱で、ランチを楽しんでもらいたくて取り入れたのだそうです。
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川島町で活躍するカメラマン・阿部和剛さんの作品も展示しています。
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初めて訪れるのになんだかおばあちゃんの家に遊びにきたように落ち着ける雰囲気で食事が楽しめます。お宿だけでなく、ランチやディナーも提供しています。
利用できるのは1日1組限定。
だからこそ、周りを気にすることなくゆったりと過ごすことができます。
「コロナ禍だからこそ、このスタイルが安心できると好評なんです」と女将さん。
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2963.jpg)
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2964.jpg)
![▲メインや小鉢、箸置きまで大谷焼を使っています。](/img_data/fe_i_170_2965.jpg)
大谷焼の器に盛り付けられた料理は、善入寺島など地元で採れた野菜がたっぷり使われています。
メニューは決まっておらず、事前にどんなものが食べたいかなどをヒアリングした上で献立を考えるんだそう。
夜は杉板のバーカウンターでくつろげます。
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美郷の梅酒を取りそろえていて、飲み比べができるのもポイント。
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あえて時計を置いていないため時間を気にすることなくくつろげるので、ついつい心地よく飲みすぎてそのまま宿泊する人もいるんだそうです。
あわらくやという屋号には「和の空間で阿波の銘品や食を楽しみつつ、和やかにゆったり過ごしてほしい」という想いが込められています。
そんな“おもてなしの心”を随所に感じられる『あわらくや』に、もうひとつ魅力が加わりました。
それが「藍のれん」です。
「ちょうど玄関を改装する時に、一目でわかるお店の顔を作りたいと思っていたんです。せっかくなら、私たちが大好きな徳島らしいものをと思っていたところに藍のれん事業を紹介してもらいました」。
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こちらが『あわらくや』さんの阿波藍で染めた日除けのれん。
美しい藍色が徳島産の焼杉を使った外壁とマッチしています。
藍染を手掛けたのは上板町『Buaisou.』。
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印象的な文字は、看板息子である大輔くんが小学校1年生のときに書いたものを使用しています。
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また目立ちすぎない程度に家紋(隠れハートがかわいい)を入れてもらうことを依頼しました。
アドバイスをもらい、何度かやりとりをして完成したのは横120センチ・縦200センチの大きな日除けのれん。
日除けのれんは江戸時代と同じように4枚の着布を縫い合わせてできています。
4枚が同じ濃さになるように調整しながら染められているんだそうです。
濃い藍色の地には大輔くんの書いた“あわらくや”の文字がくっきりと、その文字に寄り添うように家紋が絶妙な色合いで浮きあがっています。
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2971.jpg)
「想像以上の仕上がりに感動しました!」
制作の途中には中山さん一家で工房見学に訪れ、のりおきの工程と1度目の染めの工程を見せてもらったそうです。
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2972.jpg)
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2973.jpg)
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2974.jpg)
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2975.jpg)
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2976.jpg)
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2977.jpg)
「見せていただいた藍染工房は想像以上に素敵な場所で、いただいたご縁に感謝しましたね」と女将さん。
大輔くんもサプライズでスカーフの藍染体験をさせてもらい、大興奮!
「藍染めは本当に楽しかったです。自分の文字が大きくきれいに浮き出て、うれしかったです。」
![写真提供/あわらくや](/img_data/fe_i_170_2978.jpg)
しっとり落ち着いたムードになる夜の雰囲気もまた格別です。
中山さん自身が素敵だと思う、地元・徳島のいいものを取りそろえたお宿に阿波藍のれんという新しい魅力が加わりました。
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「こののれんでたくさんの方をお出迎えし、私たちが提供するものの中からお客様がワクワクできるものを見つけてほしいなと思います」。
お宿、そして地域の発展や成長を見守る藍のれん。
その美しさにぜひ触れてみてください。
民宿あわらくや
徳島県吉野川市川島町川島178
TEL. 0883-25-3699(予約制)
▼動画はこちら
https://youtu.be/LRIJpFm9vXc