特集
HIKE! TOKUSHIMA~高越山に登る~
面積の約8割が山地である自然豊かな徳島県。そんな山に恵まれた徳島で地元のハイカーやトレイルランナーに愛される徳島東部の山々を、国内外の山好きの方に知っていただきたい。そんな思いで2021年に始動した「HIKE! TOKUSHIMA」プロジェクト。今回は、吉野川市山川町にある高越山をご紹介します。
古来からの信仰の山へのいざない
高越山は、吉野川市山川町にある標高1,133mの山。県民からは「おこおっつぁん」の愛称で親しまれ、裾が広く伸びた秀麗な姿から「阿波富士」とも称されています。古くから修験の山とされ、頂上には「高越寺」が鎮座しています。登山道は平らな道が少なく険しい道が続き、心身を鍛錬する場としての厳しさが伺えます。中腹にあるかつての行場「覗き岩」や、頂上付近から見える景色は格別です。
修験道の舞台になった厳しい山道を進む
表参道登山口から登り始めると、その後は一本道で頂上まで行くことができます。平坦な道はほとんどなく、急勾配が続きます。頂上までは片道約3時間です。
1時間半ほど歩くと、かつての行場である「覗岩」にたどり着き、山々が連なる絶景が楽しめます。岩の下を覗くと、思わず後退りしてしまいそうな高さです。
「覗岩」を通り過ぎたら、中ノ郷の鳥居をくぐり、さらに奥に進みます。
中ノ郷を超えてからも、険しい道が続きます。
立派な山門が見えたら高越寺まで後少し。
高越寺は真言宗大覚寺派の寺で、天智天皇の時代に修験道の祖である呪術師の役小角(えんのおづぬ)が開いたとされています。かつては、東の「吉野」西の「高越」と並び称され、修験道の道場として賑わっていました。
高越寺では、毎年8月18日に十八山(じゅうはちやま)大護摩が営まれています。十八山は、役小角を祭る年中行事で、かつては女人禁制で行われてきました。現在は女人禁制は解かれましたが毎年読経をしながら護摩壇の炎に護摩木をくべて、修験者や地元住民が家内安全や諸願成就を祈っています。
高越寺を通過すると、頂上まで後少しです。山門から左奥へと進み鳥居をくぐります。
頂上への道のりに登場する樹齢数百年と推定される「天狗杉」。
高越山で修行したと言われる空海の像が見えたら頂上です。
標高1,133mの頂上は、他の山々が見下ろせるほどの高さがあります。
頂上からさらに奥へ進むと、高越寺の奥の院までも行くことができます。
周辺のスポットもお見逃しなく!
高越山の周辺には魅力的なスポットが盛り沢山。トレイルと合わせてお楽しみください。
真っ赤な船窪つつじ公園のオンツツジ
高越寺より東南に3kmの地点に、推定樹齢300年のつつじが自然群生しています。昭和60年には、国指定天然記念物となりました。標高1050mの高原にあるため、地上とは季節がずれており、平地で桜が散った頃にやっと春が訪れます。春にはトサノミツバツツジ・コバノミツバツツジが咲き誇り、5月中旬〜下旬にかけて巨大な株のオンツツジの燃えるようなレンガ色の花が咲き乱れます。
【アクセス】
吉野川市山川町奥野井
JR徳島線「山川駅」下車→車で60分
国道192号「湯立」から県道248号奥野井阿波山川停車場南へ入る→15km(60分)
神秘的な母衣暮露滝
「ぼろぼろ滝」と読むこの滝は、落差30mの繊細な水流が神秘的な滝です。昔とある僧侶が昼夜を忘れて修行し、身に付けていた布がボロボロになるほどだったことからその名前がつけられました。
【アクセス】
吉野川市美郷字小竹
・JR徳島線「阿波山川駅」下車→車で40分
・国道192号「山川」→国道193号、県道250号三ツ木宮倉線西へ車で40分
ふいご温泉で疲れを癒して
帰り道には、ふいご温泉に立ち寄って帰るのがオススメです。かつて上流にあった鉱山跡から自然に湧き出ている鉱泉水を利用した温泉です。温泉の大きな窓からは、四季折々の渓谷の絶景を満喫することができます。大浴槽のほか、打たせ湯やサウナもあり、旅の疲れをしっかり取ってから帰ることができます。
【アクセス】
吉野川市山川町久宗31-1
JR徳島線「阿波山川駅」下車→車で5分、徒歩30分
国道192号湯立→3km(5分)
脇町ICより車で約20分
【入浴料】
大人600円
子ども(中学生まで)300円
【営業時間】
7:00~8:30、10:00~22:00
高越山
吉野川市山川町木綿麻山
・JR徳島線「山川駅」下車→車で90分(徒歩3時間)
・国道192号「湯立」→18km(90分)
ルートなどの詳細はHIKE! TOKUSHIMAよりご覧ください。
https://www.east-tokushima.jp/trail/mtkotsu.php