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もっと広めたい、なると金時のおいしさ。
「なると金時のおかし屋さん なかのファーム」

もっと広めたい、なると金時のおいしさ。
「なると金時のおかし屋さん なかのファーム」

徳島でさつまいもと言えば「なると金時」!
温暖な気候と良質な砂地で育ったさつまいもはホクホク感と糖度の高さが特徴で、徳島が誇る農産物のひとつとして全国で知られています。
このさつまいもの魅力をもっとたくさんの人に知ってほしいという思いから、日々手作りでなると金時のお菓子を作り続けているのが北島町に工房と店を構える『なると金時のおかし屋さん なかのファーム』です。
代表・中野さんになると金時へのこだわり、そしてお菓子への想いをお話してもらいました。

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なると金時は、徳島県の徳島市内から鳴門にかけた地域で栽培されているさつまいものことです。
もともと中身が黄色いさつまいものことを「金時いも」と呼んでいたこともあり、「なると金時」と名付けられたと言われています。
特徴は、栗のようにホクホクとした食感と高い糖度。最近では全国各地にさまざまなブランドいもがありますが、その中でも根強いファンが多く、流行に左右されず人気を集めているさつまいもとして知られています。

焼きいもやふかしいもといったシンプルな食べ方から、料理に使ってもその実力を発揮するさつまいもはお菓子の素材としても人気。
県内外でさつまいもを使ったお菓子が販売されていますが、板野郡北島町にある『なると金時のおかし屋さん なかのファーム』は、厳選した農家さんから仕入れる「なると金時」だけを使った商品を販売しています。

こちらの看板商品であり、お店が広く知られるきっかけになったのが[くりーみぃすいーとぽてと]です。

 ▲左からプレーン、チョコ、抹茶。ころんとたまご型のフォルムがキュート!
▲左からプレーン、チョコ、抹茶。ころんとたまご型のフォルムがキュート!

驚くのが、その食感。
その名前の通り、一口頬張れば驚くほどしっとりしていてなめらかでクリーミィー! 「なると金時」本来の甘味が口いっぱいに広がります。
原材料のうち、「なると金時」が70%を占めるほど贅沢に使い、その甘さを最大限引き出すためにほかの材料は極力使っていないそうです。
冷凍販売をしていて自然解凍してそのまま食べるもよし、電子レンジで少し温めて食べるとトロッとしてまた違ったおいしさが楽しめます。

その後に登場したのが、しっとりしていてほんのり甘い新しいタイプの焼き菓子[おいもまあむ]。

トースターなどで軽く焼くとバターの香りとサクッとした食感が楽しめます。

[くりーみぃすいーとぽてと]を贅沢に使用したジェラートは、その名も[くりーみぃすいーとぽてとをジェラートにしました]!

小ぶりだけど濃厚なジェラートには、おいものおいしさがぎゅっと詰まっています。

一度食べてリピーターになる人がほとんどというほど、トリコになってしまう『なると金時のおかし屋さん なかのファーム』のお菓子たち。
パッケージのかわいさも相まって、登場から8年経った今では徳島県内の主要なお土産店で必ず見かけるほどになっています。

びっくりすることに、これらのお菓子を今でもすべて手作りしているんです!

特別に工房にお邪魔させてもらいました。

工房にずらっとならんだコンテナには、鳴門市から徳島市まで、複数の契約農家さんから届いたぴかぴかの「なると金時」がぎっしり。

このおいもをオーブンで焼きいもにすることからお菓子づくりがスタートします。

 ▲じっくり焼いた「なると金時」。香ばしくていい香り! このままでも食べたいくらい!(笑)
▲じっくり焼いた「なると金時」。香ばしくていい香り! このままでも食べたいくらい!(笑)

この焼きいもを半分に割って…

中身をフォークで取り出します。

おいもの固い部分や小さな皮、焦げなども丁寧に取り除いていきます。

このおいもをさらになめらかにするためにフードプロセッサーにかけて、白あんなどを合わせれば[くりーみぃすいーとぽてと]のベースが完成です。

同じ分量にしたものを、ひとつずつ手で成形していきます。

ぽてっとかわいい形になるように、そして表面がつるんとなめらかになるように。

成形している途中でも、小さな皮などがあれば竹串で取り除きます。

かわいく仕上がりました。

オーブンの天板にならべた生地に、ドリュール(焼菓子に塗る溶き卵のこと)を塗っていきます。

そしていよいよオーブンへ!

焼き上がりまでは約6分。
オーブンからいい香りがただよってきました。

さあ!完成です!
形やドリュールの付き方がちょっとずつ違うのは手作りならでは。

大量生産やオートメーションではなく、手作りにこだわりを持ってやさしい風味のお菓子を生み出している『なると金時のおかし屋さん なかのファーム』。
その原点は「実は家内生産からなんです」と話してくれたのが、『なかのファーム』の工場長・中野悦里香さんです。

今から約8年前、悦里香さんの義理のお父さんは徳島市川内町でなると金時農家を営んでいました。
悦里香さんをはじめ、専業主婦で時間があった中野家の女性たちが「なにかやってみよう」と自宅にあった蔵を工房にはじめたのがなると金時のスイーツ開発。
「サイズや形が規格外になり、市場に出せないさつまいもがたくさんあったのでこれを使ってみようと、みんなで少しずつ試作を繰り返したんです」。
スイーツ作りの経験がなかった悦里香さんたちでしたが、自分たちがおいしいと思うもの、お客さんが喜びそうな形を追求していくこと約1年。
誕生したのが[くりーみぃすいーとぽてと]でした。
「お菓子の原材料の割合でなると金時が70パーセントというものはなかなかないんです。その分、うまく丸くまとめるのも大変だったりと苦労しました」と笑います。

できあがった[くりーみぃすいーとぽてと]は食べた人が大絶賛! 工房で販売していただけでしたが「うちでも販売したい」というリクエストを受けるようになっていきました。

義理のお父さんは体力のこともあり、やがて農家を辞めますが、その頃には取引先が増えていたこともあり、お菓子作りは継続することに。

「お菓子に使っているなると金時は、紹介してもらった何軒かの農家さんから仕入れています。直接会って、畑を見せてもらって契約しています。少しでも農家のみなさんのお手伝いができればと思っています」。

やがてお菓子のおいしさが評判を呼び、県内のお土産店やカフェでの取り扱いが増えていきました。

4年前に北島町に店舗兼工房をオープン。

自社の商品はもちろん、他社で作られたなると金時のお菓子、知り合いの作家さんによるハンドメイド商品もならべています。

北島町とゆかりができたこともあり、地元の作家さんが生み出したキャラクター・ししゃもねことコラボした商品も販売しています。

また、北島町のマルシェ「きたじまるしぇ」に出店するなど、地域活性化にも一役買う存在にもなっています。

東京のさつまいも専門店にコラボ商品を納品したり、オンラインで購入するファンが増えていくほど『なると金時のおかし屋さん なかのファーム』の勢いはとどまることを知りません。

これほど引き合いがあれば、大きな工場を作ったりオートメーション化することを検討しそうですが「規模を大きくするつもりはないし、手作りをしないということもまったく考えてないですね」と悦里香さんは話します。

「手で作るから、形がふぞろいだったりするんですけど、それも含めてうちのお菓子の魅力だと思っているんです」。

安全でおいしいお菓子を届けるために、自分たちの手で心をこめて作る。
どれだけ人気があっても、『なると金時のおかし屋さん なかのファーム』が生まれたときからの姿勢は、これからも守り続けたいと話します。

安心安全なお菓子作りを続けていること、おいしいものを作っている農家さんがたくさんいること、全国に自慢できるさつまいもが徳島にあることなどを知ってほしいと、地域の小学校を訪れて食育についての講演も積極的にしているそうです。

また、お菓子の製造体験も行っています。

「自分の手で作ったお菓子のおいしさは格別! おいしいだけでなく、ここで思い出を作ってもらえたら、徳島のことや北島町のことがより印象深くなると思うんです。そういった意味での地域貢献もできればと思っています」と悦里香さん。

農家さんへ、地域の人へ、そして食べる人へ。
おいものようにたっぷりの愛情が入ったお菓子は、今日も笑顔を生み出しています。

『なかのファーム』体験の紹介はコチラ
https://activityjapan.com/publish/plan/36446

東部圏域の魅力的な、「食」&「技」感動体験が詰まったパンフレットのダウンロードはコチラ
https://www.east-tokushima.jp/brochure/