特集
一生に一度は見たい!江田の菜の花 – 種蒔き編 −
毎年3月、棚田が一面の菜の花畑になる、徳島県神山町江田。
美しい「江田の菜の花」の景色がどのように作られるのか?
江田のみなさんを密着取材してきました。
6月初旬の「脱穀編」に続き、今回は第2弾「種蒔き編」です。
■ 第1弾 脱穀編はこちらから
https://www.east-tokushima.jp/feature/detail.php?id=245
種蒔きに欠かせない道具
11月初旬。秋が深まり、少し肌寒くなってきたころ、江田で菜の花の種蒔きが行われます。
今回蒔くのは、6月に脱穀した菜の花を中心とした合計30kg超の種。米の袋3袋分ほどの量です。
日曜の朝8時、江田の皆さんが集まります。
どの棚田に、どの種類の種を、どれだけ蒔くのか記されているのがこの地図。
3月の美しい景色のための大切な「設計図」です。
もう1つ、欠かせない道具、それは種を入れるための「ボウル」です。
みなさん1人1つ持参します。マイボウルに種を入れるときの
「サラサラサラ」という心地よい音に、胸が高鳴ります。種を受け取り、種蒔きへ出発です。
いざ、種蒔き!
まずは近くの棚田から。2人から3人で1組になって、種を蒔きます。
種をまくコツは「多すぎず、少なすぎず、テンポよく!」
多すぎると密集して育ちづらく、少なすぎると色が薄くなり美しくない。
時間をかけすぎても、終わらない。
ボウルの中の種の量と目の前の棚田の大きさを見比べながら、
バランスよく蒔いていくのは、なかなか難しい作業なんです。
15分ほどで、次の棚田へ。坂道をみんなで歩いて移動します。
移動中のおしゃべりも楽しみのひとつ。
山の方に目を向けると、山に朝の光がさしていました。
日の光に照らされる木々の美しさにうっとり。山に囲まれた江田ならではの絶景です。
広さのある棚田の場合は、一列になって抜け漏れのないように種を蒔きます。
ここで重要なのがチームワーク。同じところに蒔いてしまうことのないよう、
隣の人のエリアを確認しながら、進んでいきます。
ちなみに石垣のそばは日が当たりづらく、なかなか育たないため、蒔かないでOK。
種を無駄にしないよう、丁寧に、でもダイナミックに蒔いていきます。
種蒔きは1時間ほどで終了しました。
終わった後は、みんなでお茶を飲んで休憩し、解散です。
編集後記
この日に蒔いた種の花が咲くのは3月の下旬。
芽が出てきた頃に、鹿やウサギに食べられてしまうと
菜の花の数が減ってしまい、鮮やかさが減ってしまうそう。
今年は無事に花が咲くことを願うばかりです。
地元の皆さんの手によって育まれている「江田の菜の花」。
2024年の春に、ぜひ訪れてみてください。
次回は、見頃の菜の花畑をお届けします。
■アクセス
・徳島駅からクルマで約1時間
■住所
・神山町上分字江田