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約3分のショートトリップ
鳴門の渡船でノスタルジックな旅を

約3分のショートトリップ
鳴門の渡船でノスタルジックな旅を

鳴門市といえば、鳴門海峡のイメージが強いですが、実は鳴門には「小鳴門海峡」という海峡があるのをご存じでしょうか? 壮大で荒々しい鳴門海峡の渦潮とは対照的に小鳴門海峡の波静かな内湾では、地域の人々に根付いた「渡船(とせん)」が日々活躍しています。
今回は、そんな徳島の残したい風景「渡船」に密着してきました。

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今も昔も住民に重宝される地域の足「渡船」

島が入り組んで内海を成す鳴門市では、遅くとも明治時代初期には渡し船が運航され、住民の足として利用されてきました。「渡船」と呼ばれるこの渡し船は、現在3つあり、それぞれ四国本土側と大毛島・高島・島田島を結んでいます。

今回はその中の一つ、本土側から対岸の大毛島の土佐泊までを結ぶ「岡崎渡船」へお邪魔しました。

「岡崎渡船」の待合所へ

岡崎渡船の本土側の待合所にやってきました。手書きの看板とさびたベンチが何ともノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
ベンチに座り待つこと数分。静かな湾にエンジン音が響き、その音が少しずつ大きくなってきました。岡崎渡船の「さざなみ」です。

いよいよ乗船。そして出航

数人の学生が自転車とともに下船してきました。鳴門の渡船は乗船料が無料なことに加え、自転車、原付の積載が可能なため、多くの人が通勤や通学に利用しているのです。我々も大毛島でのサイクリングに備え、自転車とともに乗船しました。渡船には「下船時に出やすいよう、乗ったらすぐに車両の方向転換をする」というローカルルールがあり、見様見真似で自転車を方向転換してみると、なんだか住民の仲間入りをしたようで楽しくなりました。

さあ、いよいよ出航です。

約3分のショートトリップ

船体に付いた細かな傷やさびに、「さざなみ」が重ねた月日を感じていると、間もなく離岸。リズムの良いエンジン音をBGMに、心地よい海風がほおを撫でていきます。ふとあたりを見渡すと、撫養城跡や小鳴門橋、造船所などが見えました。船上から眺めるこうした景色も、陸上からは感じられない渡船ならではの魅力です。

乗船時間わずか約3分。乗客は思い思いの時間を過ごします。
渡船から海を眺めていると、旅の疲れも少しずつ癒えていくような気がしました。

鳴門の原風景

そうこうしているうちに、大毛島の土佐泊へ到着。本土側と同じく、味のある待合所が出迎えてくれました。

渡船で運んだ自転車にまたがり、海辺の町のサイクリングに出発。これぞ漁師町という雰囲気の風景が広がり、潮風のために少しさびた道具が何とも言えない懐かしさを演出していました。

地元の人々の生活に欠かせない、鳴門の原風景「渡船」。
ぜひ皆さんも鳴門にいらした際は、乗船してみてください。
きっと渡船に乗って海上に出れば、日々の小さな悩みや疲れも吹き飛びますよ。

鳴門の渡船(岡崎渡船 岡崎待合所)
住所:徳島県鳴門市撫養町弁財天派名39-12
TEL :088-653-1161(鳴門市都市建設部 土木課)
WEB :https://www.city.naruto.tokushima.jp/kurashi/sumai/kotsu/tosen/index.htm